実際にやってみましょう

「百年間の間、
八万四千もある沢山の経文を
論議したとします。

その人々の心の内は、
何の問題も無くすっきりとなるでしょうか。

心の問題自体は
何も解決していないことでしょう。」


どうして私達の心に
悩みや苦しみが生まれるかといえば
貪瞋癡(とんじんち)という
三毒があるから、と仏教では言います。

むさぼったり、感情に任せて行動したり、
どうすればいいのかという
真理自体を知らないから、という意味です。

一方、経文、いわゆるお経には
一体何が書いてあると思われますでしょうか。

そこには、心を軽くするため、
私達が生きやすくなるための
様々な方法が書かれています。

もともとお釈迦様は
直接 書物を書き残されておりません。

残されたお弟子達が
「私はこう聞いた」「私はまたこう聞いた」と
覚え書かれたものがお経です。

人により、受ける説法は違います。
例え同じ話を聞いたとしても
受け止め方は人それぞれです。
ですから、様々な種類の経文があるのです。

私達がしなければならないのは
そのお経典を見比べて
どの方法、どのやり方が正しいだろうか、と
研究をすることではありません。
経文の論議が大切なのではありません。
近道を探すことでもありません。

大切なのは何よりも実践することです。

一つ聞いて、これいいな、と思うことがあれば
実際にしてみることです。
行動にうつすことが大事なのです。
頭の中だけでわかっていても
行動しなければ、役には立たない、
意味がない、ということです。


心と行動、口から出てくる言葉
この三つが実際にそろうことが
とても大切です。


「百歳八万の法蔵を談論ずれども三毒の賊いかんぞ調伏せんや」
弘法大師空海

あいおい庵          

真言宗の尼僧の庵(自宅)です。誰にでもわかりやすい仏教を目指しています。 生活即仏教。相互供養、相互礼拝の心を大事に。楽しく豊かな生活をすごしましょう。 Twitter、アメブロ、noteなどで執筆活動をせっせとしています。もしご覧になりましたら、ぜひ読んでみてくださいね。合掌

0コメント

  • 1000 / 1000