心がお疲れの時には
沢の水に浸っていると
体は静寂を感じる。
山霧の中にいると心は満ちていく。
春の花が満開になれば
気持ちは和らいでいく。
秋の紅葉は幕引きのように美しく、
その美しさに帰るのを忘れてしまう。
帰るのを忘れる、とは
家に帰るということよりも
阿字の世界(あちらの世界)に帰ることを忘れる、
ということのように私は感じます。
自然の中にいると
自分が自然の一部であると実感してきます。
この身体が無くなって、
まるで自然の中に溶け込んでいくようです。
そういう時間を過ごすと
心が癒されていきます。
心がお疲れの時には
どうぞ自然の中で
お心を癒されてみてください。
形、山水に静かなり。神(こころ)煙霞に王たり。春の華、錦を織れば之に対って情をやわらげ、秋の葉、帷(とばり)を散ずれば、之を見て帰ることを忘る。
弘法大師空海
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